【周防・山口】西国一の栄華を誇る西の京・山口に、青い瞳の異邦人が現れた! はるか南蛮の地から「デウス(天主)」の教えを伝えるべく来日した宣教師、フランシスコ・ザビエル殿(45)が、周防・長門の守護大名・大内義隆公(44)との謁見を果たし、山口での布教の許しを得たのである。義隆公はザビエル殿が献上した時計や眼鏡、望遠鏡といった見たこともない南蛮の珍品に深く感じ入り、廃寺となっていた大道寺を住居兼教会として提供。山口の街には、早くも異国の祈りの声が響き始めている!
豪華な献上品が心を射止めた? 大内義隆公の知的好奇心
ザビエル殿は当初、粗末な身なりで山口を訪れた際には、義隆公への謁見すら叶わなかったという。しかし、二度目の訪問では一転して豪華な装束に身を包み、ポルトガル国王の親書と共に、最新の南蛮技術の粋を集めた品々を献上。美を愛し、学問を重んじる義隆公は、これら文明の利器に魅了され、ザビエル殿を知的な賢者として遇することを決めたようだ。
現在、山口の街角では、ザビエル殿が通訳を介して万物の創造主について説法を行っており、好奇心旺盛な山口の民衆が黒山の人だかりを作っている。
豊後の若き虎・大友義鎮とも密接な関係か
ザビエル殿の山口入りに際し、囁かれているのが隣国・豊後の大友氏との関係だ。噂によれば、山口を訪れる直前、ザビエル殿は豊後府内にて、若き当主・大友義鎮(21)公とも接触していたという。 大友公はザビエル殿を温かく迎え入れ、熱心に異国の情勢を問い質したとの情報もあり、「大友公がすでにキリストの教えに深く心酔しているのではないか」という憶測まで飛び交っている。大内氏と大友氏、西国の二大巨頭がこぞって南蛮の宣教師を庇護する背景には、単なる宗教心だけでなく、南蛮貿易による莫大な利益と、最新兵器の入手という計算も働いているに違いない。
伝統の仏教勢力は反発か
一方で、山口の古くからの寺社勢力の間では、この伴天連(ばてれん)の進出に警戒を強める動きもある。「仏の教えを否定する邪教なり」と反発する僧侶も現れており、義隆公の庇護がいつまで続くか、予断を許さない状況だ。
「デウスの鐘は、山口の空に鳴り響くか」。大内文化と南蛮文化が融合する山口は、今、まさに日ノ本で最も進んだ国際都市へと変貌しようとしている。本紙は、この天主の教えが戦国の世にどのような波紋を広げるのか、引き続き追い続ける。
