戦国新聞

戦国時代のニュースを速報でお届けします

前代未聞!高松城、湖に沈む。秀吉、驚天動地の水攻めを敢行。城主・清水宗治公は孤立無援の窮地へ

1582年5月19日 #備中

【備中・高松】中国地方の覇権を巡る織田軍と毛利軍の激突が、誰もが予想だにしなかった局面を迎えている。羽柴秀吉(45)率いる織田軍は、毛利方の要衝・備中高松城を包囲。なんと、わずか十二日間で全長約三キロメートルに及ぶ巨大な堤防を築き上げ、足守川の水を堰き止めて城を丸ごと「湖」の中に沈めてしまったのだ! 城主・清水宗治公(45)は、水没した城内で必死の抵抗を続けているが、救援に駆けつけた毛利輝元公の大軍も、この巨大な人工の海を前にしては一歩も近づけず、ただ呆然と立ち尽くしている。

空前絶後の水上要塞

秀吉の策は、まさに狂気と天才の紙一重であった。高松城は周囲を深い湿地に囲まれた難攻不落の要塞だが、秀吉はその地形を逆手に取った。莫大な黄金を惜しみなく投じ、近隣の農民や将兵を総動員して、昼夜を問わぬ突貫工事で堤防を完成させたのである。

現在、高松城の周囲は水深数メートルに達し、本丸以外の建物はほぼ水没。城兵たちは屋根の上や舟の上で飢えと水に怯える日々を送り、衛生状態も極限まで悪化しているという。秀吉は、湖上に浮かべた豪華な安宅船から、悠々と城内の惨状を眺めている。

毛利軍、五万の大軍も手出し無用の絶望

この危機を救うべく、毛利家当主・輝元公、そして名将・小早川隆景殿、吉川元春殿らが率いる五万の精鋭が対岸に到着した。しかし、彼らの目の前に広がるのは、広大な湖と、それを守る織田軍の堅固な陣容である。

力攻めを信条とする毛利軍にとって、この水攻めは戦う術がない。近づけば織田軍の鉄砲の餌食となり、遠巻きに眺めるだけでは城内の兵を見殺しにすることになる。秀吉は、戦わずして五万の大軍を無力化するという、恐るべき心理戦を展開しているのだ。

清水宗治の首か、それとも全滅か

秀吉は現在、毛利軍に対して和睦の交渉を持ちかけているとの噂がある。その条件は、城主・清水宗治公の切腹。宗治公は、自らの命を捧げて城兵を救うべきか、あるいはこのまま水の中で朽ち果てるべきか、究極の選択を迫られている。

信長公の天下布武を支える猿こと秀吉。三木の干殺し、鳥取の渇殺しに続き、今度は水攻めという新たな地獄を生み出した。この男の想像力には、もはや人倫のブレーキは存在しないのか。

歴史を変える水の一滴

高松城の命運は、もはや風前の灯火である。しかし、この水攻めの成功は、単なる一城の攻略に留まらない。中国地方全体の勢力図を塗り替え、秀吉の名を天下に轟かせることになるだろう。

「天をも味方につけるか、猿の知略」。高松城を飲み込む水の音は、毛利家滅亡の序曲なのか。本紙は、この前代未聞の水上戦の結末を、引き続き最前線から克明に報じていく。