戦国新聞

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信玄公、野田城で狙撃か!?陣中に流れる笛の音と銃声の謎

1573年2月15日 #三河

【三河・野田城】現在、三河を席巻している武田信玄公(53)の軍陣から、不穏な空気が漂っている。連日猛攻を仕掛けていた野田城の包囲網において、総大将・信玄公が城内からの鉄砲撃ちによって負傷したのではないかという衝撃的な憶測が、周辺の将兵の間で密かに囁かれ始めているのだ。

噂のきっかけは、数日前の深夜に起きた奇妙な出来事だ。野田城を包囲する武田軍の陣営では、連夜、城内から聞こえてくる名手・村松芳休の奏でる美しい笛の音に、将兵たちが聞き惚れていたという。しかし、その夜、笛の音に誘われるようにして前線近くまで歩み寄った貴人の影に対し、城内から一発の銃声が響き渡った。

「あの時、確かに誰かが倒れるような物音がした」「その後、本陣の警備が急激に厳重になった」――。現場近くにいた足軽たちの証言は生々しい。狙撃の名手として知られる城兵・鳥居三左衛門が、暗闇の中で光る「金色の兜」を狙い撃ちにしたという話も、まことしやかに語られている。

さらに不気味なのは、狙撃事件以降、武田軍の動きが目に見えて鈍くなっていることだ。あれほど勢いのあった攻城戦が停滞し、陣中では高名な医師が頻繁に出入りする姿が目撃されている。また、信玄公自身の姿が数日間、公の場から消えていることも、負傷説に拍車をかけている。

武田軍の幹部たちは「信玄公は健在であり、現在は次の作戦を練っている最中だ」と強弁し、狙撃の事実を真っ向から否定している。しかし、三河の国人衆の間では「信玄公は重傷を負い、密かに撤退の準備を始めているのではないか」という疑念が急速に広がっている。

果たして、戦国最強の知将・武田信玄を襲ったのは、城兵の放った一撃だったのか。それとも、単なる陣中の風邪による静養なのか。もし狙撃が事実であれば、この三河戦線の行方、ひいては天下の形勢を根底から覆す大事件となることは間違いない。本紙は、沈黙を守る武田本陣の動向を、引き続き徹底マークする。